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 (活動報告・2024年度高大連携講座)
 [活動報告]
 2か月に1度のペースで水曜午後に行っている例会では,読書会や教材交換・実践報告を行っています。読書会では桃木至朗編『ものがつなぐ世界史』(ミネルヴァ書房,2021年)を2年ほどかけて読んできました。
 実際の授業で私たち高校教員は「もの」をどのように扱うか,という教材化の議論は時に難航する場面もありました。この点については今後も議論を続けていきます。
2024年度からは桃木至朗『市民のための歴史学―テーマ・考え方・歴史像―』(大阪大学出版,2022年)を読み始めています。

 [2024年度高大連携講座]
 本委員会の主要な行事が高大連携講座です。今年度は8月6日(火)~8日(木)の3日間にわたって栄光学園中学校・高等学校にて行われました。本講座では,高校生を対象に高校教員が60分で授業をしたあと,同じテーマで大学教員が90分で講義を行い,さらに午後は教員らで研究協議を行っています。今年の大テーマは「結びつく世界をどう学ぶか?Ⅲ―18~19世紀のユーラシア―」となっており,3日間の小テーマ・授業者は次の通りでした。
8月6日「18~19世紀のユーラシア東部」
高橋 一得(柏木学園高等学校),杉山清彦※(東京大学)
※杉山先生が体調不良で登壇できなかったため,急遽鼎談形式で実施。講師は2日目・3日目の大学教員に加えて桃木至朗先生(日越大学)にもご協力いただきました。
8月7日「18~19世紀のユーラシア中央部」
柴泰登(中央大学付属横浜高校),前田弘毅(東京都立大学)
8月8日「18~19世紀のユーラシア西部」
徳原拓哉(横浜国際高校),古谷大輔(大阪大学)
 生徒は約30名・教員は約60名の参加となり,大変盛況の会となりました。18世紀と19世紀を通観することは存外に難しく,変わったことだけでなく,変わらなかったこと(近世から引き継がれたこと)は何かという視点も大変重要な気付きになりました。
 生徒から発せられる問いもレベルが高く,午後の研究協議の刺激にもなっています。
 最後に,世界史研究推進委員会では,一緒に研究していただける仲間を募集しています。ご興味のある方がいらっしゃいましたら,委員長(上野)までお気軽にご連絡ください。
(相模原中等教育学校 上野 信治)

(神奈川県高等学校教科研究会社会科部会報第93号より)