日本史研究推進委員会のページ
本委員会では3年前から共同研究テーマを「神奈川の地域史研究とその教材化―歴史総合・日本史探究をどう教えるか」として,おおよそ月1回(水曜午後)の例会を開催して教材研究を進めています。世界史研究推進委員会とは年に2回の合同例会を実施し,神奈川県立歴史博物館(以下,県博)とは学芸員の方と博物館資料の教材化に向けた博学協同の取り組みを年に3回ほど進めています。以下,2024年度の夏の活動を中心に報告いたします。7月29日に夏季巡検を津久井方面で実施しました。午前は津久井城跡を県立津久井湖城山公園の野口浩史園長の案内で散策しました。午後は津久井高校の校地にあった弥生時代の遺跡である三ケ木遺跡から出土した三ケ木式土器などの展示を見学しました。その後,甲州街道の9番目の宿で現存する唯一の本陣である小原宿本陣を相模原市教育委員会の齊藤真一氏の案内で見学しました。
8月21日~22日には横浜翠嵐高校で日本史サマーセミナーを開催しました。全体テーマは「「歴史総合」から「日本史探究」へPartⅢ」で,午前は高校生向けの講義を大学教員から70分×2コマ,午後は教員向けに大学教員の報告や高校教員による実践報告ののち,研究協議を行いました。参加者は生徒が約60名,教員も40名超で,内容は次の通りです。
21日【午前】「夏目漱石を「歴史総合」で考える」成田龍一(日本女子大学),「一寸法師から考える中世社会」遠藤ゆり子(淑徳大学),【午後】「感染症でまなぶ「歴史総合」」伊藤和彦(名古屋市立名東高校),「歴史総合と日本史探究はいかに結びつくのか―学習方法に焦点を当てた授業実践比較―」齋藤寛(横浜栄高校)
22日【午前】「「戦後」の時間と空間を考える―基地問題と基地闘争―」大串潤児(国立歴史民俗博物館),「日本の近世社会から近代社会への変化~地域に残された歴史資料から考える~」三村昌司(早稲田大学)【午後】「生徒の歴史記述に教師はどう関わったか?~ふりかえリシートを軸にした実践~」渡邊泰斗(横浜国際高校),「卒業論文指南書を読み解く―大学歴史教育から「歴史総合」へ」酒井晃(日本女子大学)
最後になりますが,本委員会の活動に興味を持たれた方は,委員長の高橋までお気軽にご連絡ください。最近は若手の参加者も徐々に増えてきました。是非,私たちと一緒に学びを深めていきましょう。
(県立神奈川総合産業高校定時制 高橋俊介)
(神奈川県高等学校教科研究会社会科部会報第93号より)